平均年収は300万円以下?! 衰退化が止まらない美少女ゲーム業界の現状
今回はこの美少女ゲーム業界の実態を確かめるべく、efシリーズでも有名な人気ブランド「minori」の
代表兼プロデューサーでもある酒井"nbkz"伸和氏に直撃インタビューを敢行した。
●社員の平均年収は300万円に届かないほど厳しい現状
ーー90年代後半からインターネットの発展と共にPCが一般家庭にも普及し、テレビアニメ化なども手伝って
美少女ゲーム自体は人知れず身近な存在となっていると思うのですが、実際の市場の傾向はどうですか?
nbkz
売り上げ自体は年々右肩下がりです。市場も縮小してますよ。制作会社は大小含めていまも200社近くあるようですが、
どんどん減ってきていますね。PCが一般家庭に普及したとはいえ、盛り上がりを見せていた2000年頃でも美少女ゲームは
10万本売れればスーパーヒット、3万本で大ヒット、2万本でヒットという狭い世界でした。
それがいまじゃ1万本でヒットという世界にまで落ちました。
1万なんて、未成年を除いた国内人口約1億人に対して、0.01パーセントでしかありません。
結局、ほとんど誰も知らない、やったことがないのと大差ないんです。
これはアニメの視聴率などと比較すれば、よくわかるかもしれません。
ーー近年の秋葉原という街自体が活性化していき、オタク文化が一般化していったかと思うのですが、
この流れと業界が連動して盛り上がるということはなかったのですか?
nbkz
ないですね。期待はあったのですが、結果的には購入層がまるで違ったんですよ。
声優がアイドル化したり、アニメが数多く作られたり、ライトノベルが売れたりと、活性化したことは事実です。
確かにオタク層の低年齢化は進んでいるんです。でも、若年層が買えるものは主に1,000円以下の商材なんです。
要するにマンガとライトノベルまでで、さらにその層の話題の中心となるアニメは、テレビやネットで無料で観られるわけです。
それに対して美少女ゲームは8,800円がメインで、最近では9,800円のタイトルも多い。初回特典版になると、
10,000円を超えてくるものもあります。そうなると到底その層は買えないんですよ。
そう考えると、美少女ゲームの購入層はそこではないということになります。支持層ではなく購入層というのがポイントです。
ーーここまであまり良い話がなかったように思うのですが、業界の平均的な年収ってどのくらいなんでしょう?
nbkz
平均でいえば、300万円を割ってると思います。400万円もらえているところは、ほとんどないんじゃないでしょうか。
年収300万円って、ボーナスなしで月給25万円ですよ。現状でこれだけ出せるのは、ある程度以上売れているメーカーだと思います。
もちろん大ヒットをすれば一時金が支給されたり、著名な原画家さんとかは副収入があったりもしますけどね。
とにかくいまや何をしても儲からないのが、この業界なんです。だから当然年収は低くなります。
3,000万円の制作費を回収するには、流通会社への卸値5割としても、フルプライス作品なら6,819本の売り上げがあって、
ようやくトントンになります。でもいまの1タイトル当たりの平均販売本数は5,000本以下といわれているんです。
未回収分をグッズの売り上げで補う考えもありますが、数千本しか売れなかったソフトより、低価格で売られるグッズの売り上げなんて微々たるものです。
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